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ごあいさつ

2015年にスタートしたこの「同じ刻(とき)を生きる作家展」は2020年を持って、5回目を迎えることになりました。

 

2015年、京都では春と秋に、世界的なアーティストが集まった現代アートの国際展と、

琳派の流れを現代まで辿る伝統工芸の大きな展覧会がありました。

 

メディアにも取り上げられ多くの関心を集めたこれらの展覧会は、今のアートの両極端を提示するものでもありました。

しかし、アートの世界にはこれら両極の「はざま」に、様々な作家による様々なアートが存在するのです。

同じ刻を生きる作家展は、その「はざま」に生きる作家たちも同じ時代に生き、アートの裾野を支えているということを

提示することをコンセプトに、「自主的な作家たちによる自覚的な展覧会」として誕生しました。

 

二つの芸術祭との対立ということではなく、アートの多様性を提示し、アートを市民に楽しんでもらえる環境を作りたい、

また、この様なコンセプトを持った展覧会があったということを歴史の記録に残す事が重要だとの思いでした。

最初は、京都アートカウンシルの企画としてスタートしました。日本美術会・京都リンクプロジェクト・京都市にも

ご後援いただき、多くの作家さんたちにご出品いただき回を重ねてまいりました。

 

作家さんは、京都に限らず全国から多く集まっていただいています。本当にありがとうございます。

本年は、6月17日から京都市堀川御池ギャラリーで第5回展を開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の

世界的大流行という事態を受け、ギャラリーでの開催は延期となりました。

ウィルスという人間の眼では見ることができない存在が突然、『大流行』という形で現れたことに、私たちは戸惑い、

恐れ、不安を抱くことしかできないのでしょうか。いや、きっとそうではないでしょう。

アートには、さまざまな表現内容がありますが、不思議なことに、アートを創造したり、

アートに触れることで、人々を元気にする力があるようです。

 

流行が始まってから少し時間がたち、これからは新型コロナウィルスとうまく共存する知恵が人間に求められています。

そこで今回はアートで免疫力を高めていただきたいとの願いを込めて、『アートのワクチン』というサブタイトルを付けました。

ぜひ、さまざまな作品をお楽しみいただき、少しでも安らいでいただけると幸いです。

 

同じ刻を生きる作家展実行委員会

実行委員長   宗 由美子

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